小雨の日、鎌倉へ向かう。
友人の版画家
大庭明子さんの個展に伺うため です。
鎌倉はまた、懐かしい場所でもあります。
高校が その辺り(江の電の沿線でしたが)でしたので、
よく、鎌倉には出かけて四季折々を楽しんでいました。
ひさびさの「鎌倉」に緊張しつつも、
出かけに立ち寄った本屋で買った文庫本を手に、
またもや湘南ラインで すいすいと鎌倉に向かいました。
湘南ラインは早くて便利です。
新宿からは乗り換えがないので、本に没頭できました。
買った本は、
「インド夜想曲」。
インドの深層にふれるミステリアスな内面の旅行記。と帯にあるように
ちょっとシュールな小説でした。
そのシュールに浸っているうちに鎌倉に到着。
最近、高尾山に行った時に購入した 御朱印帳を手に、まずは八幡様へ。
鎌倉が身近であった頃は、八幡様に対し、こんな観光客気分には
なったことがなかったな....
改めて、そういった目でみてみると 素晴らしい神社です。
秋の行楽シーズンで人々がごった返すなか、
同行の地元の友人の案内で、
隠れ家テキな珈琲のおいしい静かな喫茶店で一休みしてから、
メインの大庭氏の展覧会へ向かいました。
彼女の暖かみのある作品は、いつも私を元気にしてくれます。
木版なのに 「和」っぽくない。
シンプルにそがれた版作りは、キモチの良い潔さとセンスのよさが漂います。
会場のに版画の中にモチーフとして出て来た 「hat」の大きいオブジェが!
おお!っと目を惹きます。
小雨も 人ごみも あまり気にならない
友との暖かい 鎌倉の 時を超えた様な一日に、
行き帰りで読み終えてしまった「インド夜想曲」のシュールも手伝って、
懐かしくも 嬉しい、豊かな旅の時間を過ごした気がしました。