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岡田まりゑblog

malie.exblog.jp

1129.ヒカリを刷る

作品の全体の色の方向は
最初に決めていることが多いけれど、
最終的には必ずしも「その色」になる
とは限りません。
小説家などが、キャラクターが制作の途中で
動き出してストーリーを作ってゆく
という表現をするけれど、
それに似ているかもしれません。
その様な過程においても 
昨年創った「ヒカリ」は
もう、この色でしたない!という
強い意志を持って揺るぎなく
光の色の作品となりました。

先日、その作品の刷り増しをしていましたが、
「ヒカリ」は他の作品と違って
凹凸版刷りではなくシンプルな銅版画の刷り
(凹部のみインクを詰めて刷る)なのですが、
テクスチャーを出す為に
かなり深い腐蝕を施している為
インクの盛り上がりを美しく維持するのが
難しく、刷りに苦労する版のひとつです。

この様な深い腐蝕の版は、
昨今の猛暑の中ではエアコンをかけていても
インクがダレてしまい失敗が多くなります。
ましてやこの黄色は銅版上では摩擦などで
濁ってしまいがちです。
ヒカリの色になる様、そして強いテクスチャーが美しく浮き上がるように刷り上げるのに
今回も苦労しました。
余り暑くなる前に刷りが出来て良かったです。

そんなこんなで
また全身のダメージが多い日々。
雨続きですしまた、鍼治療や整体に
行って整えます!

1129.ヒカリを刷る_c0118526_13271798.jpg

ヒカリ  18×18cm  etching



by malie134-HS02 | 2020-07-10 13:14 | 日々 | Comments(0)
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