ずうっと前き録画しておいた「落下の王国」を
やっと観ました。
とても美しいモノばかりで構成されている映画で観ていると胸が苦しく(良い意味で)なります。
パラジャーノフの「柘榴の色」を観たときと
似ています。
怪我で入院しているスタントマンが
同じく入院している少女に話して聞かす
妄想の旅な物語の場面に出て来る勇者の姿や数々の建築物、風景が本当に素晴らしい!
それは世界中の美しい場所(建築物は主にインド)で撮られているのですが、
とても不思議で美し過ぎて
そして、登場人物のコスチュームが
また素敵過ぎて
当たり前だけれど「もう敵わないな!」
とある種の絶望感と共に
そこにずっと浸っていたいキモチになります。
ただ、
その妄想の旅のお話は
話し手のスタントマンが自分の人生に絶望してしまっているので、悲劇的な方向に行ってしまうのが辛いです。
少女のお願いによって、最後の場面では
ようやく主人公は死なずに生き残る
という風になるのだけれど。
コスチュームは石岡瑛子の作品でした。
圧巻の建築物や風景に負けない、
というより更に美しさを引き立てる
その色やカタチに
ただ「衣装」とは呼べない彼女の作品たちの
魅力が全編を圧倒する映画だと思いました。
それで
やはり、諦めかけていた「石岡瑛子-血が、汗が、涙がデザインできるか!」展を現代美術館へ観に行こうと思います。
彼方 に 14.6×19.5cm etching