知人の展示を観に国立へ行きました。
大学通りの桜は既に葉桜にはなっていたけれど
真っ直ぐに続くこの桜並木は
未だまだ見応えがあり
桜がこんな風に続く道を歩くと
何故かこみ上げてくるものがあります。
別にそれは私が学生の頃、
この辺りに住んで居たからとか
そういうノスタルジックなキモチではなく
桜並木が醸し出す空気が
とてもセツナク感じるから。
そして国立のこの雰囲気は
さすがに風景保存地区(こんな表現ではなかったかもしれませんが)だけあり
日本の普通の都市離れした空気が漂います。
ロンドンに住んでいる妹が「国立だったら住んでも良いな」と言った意味がわかる空気。
一橋大学の林から聞こえる鳥たちの声も
広い歩道と整備された自転車レーンも
何か日常では無い感じがします。
そんなことを思ってしばらく歩くと
目当ての画廊watermark artt&crafts
があります。
ここでの展示も日常では無い世界へ
連れて行ってくれることが多いのです。
今回の溝上さんの「オオカミ県」も
そんな展示。
絵本の為に制作された銅版画たちは
青が印象的で深く熟考された
丁寧な作品たちだ。
「この作品はなかなか満足ゆかず
2回創り直しました」
その彼女の姿勢は日頃からsnsなどの投稿で
知っていましたが、
「そうだよね。そうでなけれはこういう作品は
出来ないよね」と自分の制作態度を省みて
少し落ち込んだり。
失敗を何とかねじ伏せて
どうにかするコトには長けている私は
最初に戻って創り直す は
よっぽどでないと難しいです。
しかも2回はきっとできないだろうな。
一つの版への執着が強い
とも言えるから、
それはそれで「粘り強い」と置き換えても良い
とか
何とか自分を正当化しようと
そのうちに「まあ、人それぞれ」と
結論は何時もそんな風になります。
ひとの作品は何時も
不思議でスゴい
最近は
自分の作品の面白さを発見するのが
ムズカシイ。
でも そんなのは偶にでいいか。
と
帰りの桜並木で思った曇りの日。
様々なジジョウ 銅版画に色鉛筆