1216.母の台所の束子
母の台所に束子がありました。
「こんな古めかしいものを!」と思ったけれど
母の使い慣れたものたちを否定してしまうのも
違うよな と。
そして考えてみたら見栄えは良くはないが
今時のスポンジよりずっと水はけ良く
金束子より自然の材料でできているのだから
とてもイマドキのエコな品だなぁと思った。
私が使って便利だからと
色々持って来ても
母にとってはチガウものであるのだろう。
母の歴史を尊重しなければ
と反省する。
私が子供の頃は
テレビの不調も直したり
手芸や料理も得意な母であったので、
最近は思うように何かが出来ないことに
苛立ち悲しんでいるのを
何とか慰めて明るい気持ちに
なってもらいたいとするけれど
難しいね。
私ですら近頃は日々不具合が増して
出来ないことが増えている。
そんな自分に苛立ったりもする。
私よりずっと器用な人だった母は
もっとそんな風に思うのだろうな。
歳を重ねるツラさが身に染みます。
何かにつけて
「ありがとうね」と言う母が
セツナクて
「菫色を 想う」20.5×46.3cm
etching,aquatint,collage
by malie134-HS02
| 2022-11-03 16:25
| よしなしごと
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