長年やっていても、版画は版を刷ってみないと判らないことが多いので、
.....がっかりな結果や、思った方向ではないが「これもアリか....」など
私の場合、完成までに幾多の軌道修正が要求されます。
最初の頃は刷り上がったモノを見ては、取り返しのつかない失敗をしてしまった様な
焦燥感と悲しみで一杯になり、途方にくれていましたが、
だんだんと、それは「チャンスだ!!」と思えるようになりました。
自分の作品を救うにはどうしたらよいか?!
今迄やってみなかったコト、違う素材との組み合わせ、これは本当に失敗なのか?
など、ココロがどんどん動きだし、急に楽しくさえなってくる。
「自分自身の模倣はROCKな姿勢ではないな!」
手はどんどん奔って、気がついたら最初に予定していたモノよりも、もっとステキな作品に
なっている場合もあります。
もちろん、奔り過ぎて壊してしまう事もあり、結局は救い出せない場合もありますが、
そこでやってみた事は、次の制作のヒントになったり、
とにかく、失敗から学ぶコトは大きいです。
でも、まあ、あまり失敗ばかりするのも「学び」が足りないとも思うので、
最近は「待つコト」や慎重にやることなども心がけるようにしています。
PS: 実は、今日の刷りが思った方向に行かず、ただいま「暗闇中」です。そんな訳で
自分を励ます意味合いも込め、書いてみました。
つぎの自分の 奔り に期待しつつ、ちゃんと一度落ち込むのも重要と思って
過ごします。
ゆくへ (ED.38 35.5X24.5)