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岡田まりゑblog

malie.exblog.jp

040 「ハルカニ....」ふたたび

 昨日、「ハルカニ....」という作品の刷り増しをしてアトリエから帰ってきたら
偶然にも「ハルカニ...」にコメントを頂いていて、とても嬉しかったので、
たまには、ちょっと版画家な方面のことも書いてみようと思います。

作品の技術の難易度は、作品を観る上ではあまり重要な要素ではないと私は思っています。
それよりも、仕上がった作品そのものの印象、パワーが大事だと考えます。
が、鑑賞するときの楽しみとして、「ここにはコンナモノが使われているらしい」などという
情報も、たまには楽しかったりしますね。

『ハルカニ....」は雁皮刷りという方法で刷られています。
薄い和紙に刷りつつ台紙の紙に張り込んで行く方法です。
雁皮のやわらかい透明感のある空気感が作品に欲しかったので、
この方法で刷ってみました。
さらに、その薄い雁皮と台紙の洋紙の間に日本画の岩絵の具の粉を撒いて
部分的に着色しています。
着色といっても、細かい粉が紙と紙の間に挟まっている,,,,という状態ですが。
これによって、さらなる「ハルカ」な感じの空気をつくりたかった訳です。







040     「ハルカニ....」ふたたび_c0118526_1448485.jpg040     「ハルカニ....」ふたたび_c0118526_14492233.jpg










左「水面に...」     右 「ハルカニ....」

どちらも、この方法で刷りました。






こんな風に書きますと、あたかも最初から全部計算されたコトのようですが
この方法を考えついたのは、アクシデントからの発見です。
単純な雁皮刷りをしているときに、不注意で糸くずを挟み込んで刷ってしまったことが
ありました。その糸くずが思いもかけずステキな効果をあげていたので
この 技?を考えつくきっかけになりました。
今では、数少ない私のワザとなっています。

何が功を奏するかわかりません。





PS:銅版画の基本的な方法は、LINK先の野澤菜穂子さんのサイトのPROCESSを見て頂けると判りやすいです。他力本願でスミマセン....
by malie134-HS02 | 2007-07-23 15:05 | よしなしごと | Comments(2)
Commented by baranoki at 2007-07-23 19:05
こんにちは。
<ハルカニ・・・>やはりとても素敵です。
版画の制作は、とても大変な作業なんですね。
作り手さんの情熱がうかがえます。。。。

作品のエピソードを知ることは、とても楽しいですね!!
作品が、ぐっと、身近な存在になります。
お部屋で鑑賞できると思うと、わくわくします。

<水面に・・・>もまた、素敵です。。。
ゆらゆらした水面に見とれて、幻想の世界へ入っていけそうです。
(勝手な想いを書いてしまいました。^^)

(リンクありがとうございました!)


Commented by malie at 2007-07-24 13:09 x
baranokiさん、観て下さる方からの、作品に関する感想やいろいろ....
そんなお話を伺うのは、大変嬉しく励みになります。
ありがとう ございます!

なんだか、こうして作品を仲介に、お話出来ること、
作家冥利につきます。
これからも、そんな作品創ってゆきたいです。
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