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岡田まりゑblog

malie.exblog.jp

047 Blue

 版画の種類はいろいろありますが、
なぜ、その中から銅版で制作するコトを選んだのか?と聞かれたら
その理由のヒトツに 「金属が腐食される様が好きだから....」と答えます。

エッチングはその名の通り、版を私自身が彫ったりするのではなく
強い酸性の液体が etch するのです。

科学反応といってしまえば、それだけのコトですが、
その 硝酸(これは家庭で使うには大変危険なモノなので、今では塩化第二鉄
を使用していますが) の blueの変化を見ていると、
ナニカ  が はたらいている様な 魅惑の気分になります。

硝酸は始めは透明の液体ですが、銅と化合するごとに深い blueになってゆきます。
気泡を はきつつ腐食が進む様は 海の中の出来事のようで
思わずずっと見入ってしまったりしていました。(気泡は窒素ガスなので、
身体に良くはありません....)

気分としては 地中海の海やモルディヴ の海....明るい南の海を眺める気分。

なんとなく 、私ではない誰かのチカラを借りて、出来上がってゆく版のふしぎ。
不自由と希望の混合です。



047     Blue_c0118526_1372220.jpg

angel (ed.53 30X13)
by malie134-HS02 | 2007-08-05 13:14 | 日々 | Comments(2)
Commented by golden at 2007-08-05 22:56 x
私も 硝酸のあのツンとした匂いの 毒っぽいけれど、深くて鮮やかなblueに見入ってしまいます。魔性のアオ。自分の意志とは別の不思議な力でカタチが成っていく様子はワクワクしますね。
Commented by malie134-HS02 at 2007-08-06 11:09
goldenさん、そう、これこそ「なる」チカラのなせる技ですよね!
刷りもそうですが、版を硝酸から引き上げる時のドキドキ&ワクワクは
版画の醍醐味ですよね。
硝酸のblueの様なドキドキ感のある作品が創れたらな...と憧れます。
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