銅版画の行程は、手の込んだお料理をするのに似ています。
私の場合、使用する紙によっては2ー3日湿す時間が必要な場合もあり、
すぐに刷りをしたい!と思っても ダメな場合もあります。
下準備に時間が必要です。
そのために、計画性もかなり重要な要素です。
銅版画は、木版画とは反対に、溝の部分に インクを詰めて、機械で圧力を与え
刷る版画なので、刷り取る紙の全体を、程よく湿さなければなりません。
その「程よく...」がけっこう重要でムズカシク、うまく湿していないと、
思う様にインクが刷り取れないのです。
ここでも、どのくらい待つか....は肝心です。
待ち過ぎたりすると、カビたり、逆に水分が抜けてしまったり。
季節などの考慮が必要になってきます。
更に、行程で私が「ちょっとメンドウだな」と思うのが、作品の乾燥です。
湿した紙な訳ですから、乾燥させなければならず...また、インクも油性なので
紙にしみ込んで乾燥するのではないので、しばらく時間がかかります。
この、乾燥のさせ方に手を抜くと、紙が波打ってしまったりします。
私の場合は、板に水張りテープで貼って乾かしています。
刷りが佳境の時は、この 作品が貼られたベニア板の大小が、
アトリエの中じゅうに立てかけられて 大変なコトになっています。
貼ったものは剥がさねばならず......これが、ココロが乱れていると上手く剥がせず
作品を破ったり!!ということもあり。
なにごとも焦ってやっては いけないなと、毎回思ってはいます。
判りにくいですが、左は作品乾燥用のベニアたち 中:水張りテープとはけ
右:乾燥中の貼られた版画たち